新しい楽器はじめませんか? 〜三線をはじめようかと思っている人へ〜
こんにちは。亮です。
僕は趣味で三線(さんしん)を弾きます。三線をご存知の方もいるでしょう。沖縄の楽器です。沖縄旅行にいくと,どこからともなく聞こえてきますね。
最近では,テレビのCM等で演奏されていることもあり,目にする機会が多いのではないでしょうか?
この三線,新しく何か始めたいと思っている人には,とてもおすすめの楽器です。
三味線(しゃみせん)と三線(さんしん)は何が違うの?
「三線」という字を見て「しゃみせん」と読んだ人もいることでしょう。これ,実際よく間違われるんです。そして,結局のところ「何が違うの?」ともよく聞かれます。
それではここでその違いをご説明しましょう。
そもそも三味線は,沖縄(当時は琉球)から大阪の堺に伝わった三線が,独自の変化を遂げて,当時の文化に合うように変化していったものです。
まず,大きさが違います。三味線の種類にもよりますが,一般的に想像される津軽三味線は,三線の1.3〜1.5倍ほど大きいです。また,弦を弾くためのバチが扇のような形をしています。そして,三味線の胴には犬や猫の皮を使います(最近では,人工皮もあります)。
では,三線はどのような楽器なのでしょう。
三線は,琉球が交易をしていた中国から入ってきた「三絃(さんげん)」と言われる楽器が,独自の進化をしたものと言われています。
大きさは三味線より小さく,ストラップがなくても立って弾こうと思えば弾けます。また,弦を弾くには,水牛のツノを加工して作られた爪を使います(人によっては自分の手の爪やピックを使って演奏する場合もあります)。そして,三線の胴には蛇(ニシキヘビ)の皮を使います。これも,三味線と同様人工皮を使ったものもあります。
【余談】
人によっては三味線のことを「三線」「三絃」,三線のことを「蛇皮線」「三味線」と言う人もいます。ややこしいですよね。
三線はどこで買えるの?
新しく三線をはじめようにも,まずは楽器を触ってみないとわかりませんよね。実は沖縄に行かなくても手に入るんですよ。では,三線はどこで売っているんのでしょう?
1. 三線屋さん
沖縄に行かなくても探してみると内地にも三線屋さんはあります。有名な「ちんだみ三線店」は新宿と福岡にあります。また,大阪や名古屋にも三線屋さんはあるようです。
2.沖縄物産展
デパート等では,日本各地の物産展を行っていますよね。沖縄物産展では,沖縄料理や泡盛などと一緒に,三線が出品されていることがあります。会場の規模にもよりますが,大きなところではほぼ出品しています。
三線を専門にしているお店が持ってきていることが多いので安心です。僕がメインで使っている三線も物産展で買いました。
3.ネットショッピング
ネットショッピング大手のAmazonや楽天でも三線を扱っています。また,沖縄にある三線屋さんから,ネット注文が可能なところもあります。
個人的には,ネットで購入する場合実際に触ることができないので,沖縄の三線屋さんに注文する方がいいと思っています。不明な点がある場合に,日々三線を取り扱ってい人に聞くことができます。僕が最初に購入した三線はネットから沖縄の三線屋さんに注文したものでした。
4.三線教室の先生を経由して購入する
沖縄に行かなくても三線教室は数多くあります。その多くが三線を持っていなくても,教室にあるものを貸してくれます。そこで体験してから購入する人も少なくありません。この場合,三線教室の先生を経由して購入することができます。三線についての知識が少ない状態で自分で選ぶより,自分にあった三線を先生が選んでくれるので安心です。
5.大きな楽器屋さんで購入する
イオンモールなどに入っている大きくて取り扱っている楽器が多いお店では,三線も取り扱っていることがあります。小さいところだと和楽器の取り扱いは少ないです。また,ちょっとマニアックな民族楽器を扱っているお店でも三線を見かけることがあります。
このようなお店でも購入することはできますが,数本しか三線を置いないので,自分にあったものを選ぶということはできません。そこに置いてあるものを購入することになります。
三線はどんな種類があるの?
ギターにクラシック,アコースティック,エレキと種類があるように,三線にも種類があります。三線は,胴の皮,棹による型で種類を分けることができます。棹の型で音が左右されることもありますが,初めて三線を買うにあたっては,あまり気にすることはありません。ここでは胴の皮について説明していきます。
胴の皮は主に3種類。「本張り(本皮一枚張り)」「強化張り(本皮二枚張り)」「人工張り」です。一つ一つ見ていきましょう。
本張り(本皮一枚張り)
これは,胴にニシキヘビの皮を1枚張った伝統的な三線の形です。
伝統的な形なので,1番いい音がします。ただ,生き物の皮を使うので,ものによって音が変わります。同じものがないというのが面白いところです。同じ「本張り」でもものによって音が異なるので,値段もものによって幅があります。大体80,000円〜といった感じですね。中には2,000,000円のものも見たことがあります。
動物の皮を使っているのでメンテナンスが欠かせません。ケースに入れたままで長い時間置いておくと,破れます。長く使っていくには,日々三線に呼吸させてやることと,定期的な職人によるメンテナンスが必要です。
少し手はかかりますが,いいものに出会えれば一生ものの三線となります。
強化張り(本皮二枚張り)
次も,ニシキヘビの皮を使った三線です。では,「本張り」と何が違うのでしょうか。
それは,皮が破れないように,はじめに布を張ってるという点です。「本張り」だと胴にニシキヘビの皮しか張っていないのですが,「強化張り」だと布の上にニシキヘビの皮が張ってあります。そのため,「二重張り」という人もいます。
音は「本張り」には劣りますが,同じくニシキヘビの皮を使っているのでいい音がします。僕がメインで使っている三線も,この「強化張り」です。ニシキヘビの皮を使ってるので呼吸させる必要はありますが,本張ほど神経質になる必要はありません。
「強化張り」もものによりますが,値段は40,000〜100,000円ぐらいです。
人工張り
最後に人工張りです。これは名前の通り,ニシキヘビの皮を使わずに,人工の皮を張った三線のことをいいます。人工皮を使用している分,音か劣ります。その分安価です。13,000〜30,000円ぐらいです。
ニシキヘビの皮を使っていないので,手入れの必要がありません。また,人工なので,胴の柄を変えることができます。蛇の柄が苦手という人にはおすすめです。三線屋さんにもよりますが,人工張りは様々なデザインのものが出されています。
以上が三線の皮の種類になります。他にも特殊なものとして「カンカラ三線」や「ウッド三線」などもあります。カンカラ三線は戦後に物がない中,米軍から支給された食糧の空き缶を使って作られた物です。「ウッド三線」は学校の授業で使われることが多いようで,胴が全て木で作られた物です。
どうやって練習するの?
三線はギターのコード弾きとは違い,一音ずつ弾いていく単音弾きで演奏する楽器です。でも,最初は特に難しく考えないでいいので自分の好きなように音を楽しんでください。
何か曲を演奏したいなと思ったら楽譜を見て演奏してみましょう。伝統楽器なので楽譜が特殊です。「工工四(くんくんしー)」と呼ばれる漢字の楽譜を見ながら演奏します。
難しそうに見えますか?大丈夫です。安心してください。
子どもの頃に鍵盤ハーモニカを演奏するとき「ドレミ」と字で書いた楽譜を見て練習していましたよね,あれと同じ感覚です。
三線の各部の名称や弾きかたはわかりやす教本がたくさん出ているので,それを見た方がわかりやすです。三線の先生が監修しているので,間違いがないので安心です。
少し三線のことがわかってきたら,自分が演奏したい曲を弾いて練習していくのがいいです。初心者用の曲などから順番にやっていくと飽きます。自分ができるようになったらいいな,弾いていて楽しいなと思うものからやっていくことをおすすめします。YouTubeなどに演奏されている動画がたくさんあるので参考にするのもいいですね。
もちろん,三線教室に通って練習していくのもいいです。
最後に
三線はとても楽しい楽器です。楽器としては比較的安価ですし,弦も柔らかく弾きやすいです。気軽に心地よい音が奏でられます。一緒に三線を楽しみましょう。
何か三線のことで疑問があればぜひコメントしてください。